
単板シェル(ソリッドシェル)
蒸し曲げによる単板シェルの音色は、私たちの考えでは他に代えがたいものです。だからこそ、スネアは一枚の木からのみ作っています。当社のソリッドシェル・スネアは、文字どおりのソリッドシェルです。継ぎ目を装飾やインレイで隠した2ピース、3ピースのシェルは使いません。一枚の木でないものは、定義上ソリッドシェルとは呼べないと考えています。
曲げ工程を終えたシェルは、最適な鳴りと、人の手では到達できない真円度を得るために、CNC で狙いの厚みまで削り出します。加工後にスネアベッドとエッジを削り、穴あけを行います。仕上げには数週間をかけ、独自配合のオイルを何度も塗り重ねて、落ち着いたサテンからセミグロスの表情に仕上げます。表面だけでなく、木そのものを保護する仕上げです。

幅広く対応するスネアベッド
スナッピーの本数にかかわらず、テンションと位置の全域で明瞭かつダイナミックな音が得られるスネアベッドを目指しました。そのために、シェル厚とベッドの削り方をいくつも試作し、最適と考える形にたどり着いています。
当社のスネアベッドは幅を広くとり、深さは控えめながら適切に削っています。42本のスナッピーでも、粒立ちのよい反応が得られます。

基音の周波数と音名を実測
穴あけ、仕上げ、ハードウェアの組み付けを終えたシェルについて、外周とベアリングエッジをスペクトラムアナライザで測定し、基音の周波数と音名を胴の内側に記載しています。その値を踏まえてチューニングしていただいても、まったく別のアプローチをとっていただいても構いません。組み上がったドラムが最もよく共鳴する周波数を知っていただくための、参考情報としてお付けしているものです。
当社の真鍮ハードウェアは、シェルの基音をおよそ50Hz下げます。そのため、測定はハードウェアをすべて組み付けたあとに行っています。この方法が、そのドラムの音の傾向を最も正確に捉えられるためです。なお、この測定値はソリッドシェルでもプライシェルでも同様に得られますが、プライシェルでは外側のプライと打面に接するプライとで鳴り方が異なります。
ストレイナー、バットプレート、エアベントなど、ラグ以外のハードウェアが付く箇所では、周波数がわずかに(およそ5Hz)下がります。測定ではこれらの箇所を避けています。
